【インタビュー<前編>】T3 FLOORBALL PROJECT/HP公開と戦術について聞く

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戦術を学ぶ・教える、とは。

知識を得るということで、講師派遣以外にも、各クラブのコーチが日本国内のみで活動しながらどこまでスキルアップできると思いますか?

<髙橋さん>海外の情報を得るのに一番アクセスしやすいのは、試合やハイライト動画だと思いますが、それだけだと駄目というか、物凄くフロアボールを見て、物凄く考えて、自分で理解しようと思う人じゃないと難しいですね。田島さんはレアっていうか、すごいなって思うんですけど。

試合を見ることは大切ですが、やはり海外のクラブに行って、『このチームがこういう戦術をやるためにどういう練習を積んでいってるか』を見ないと難しいと思っています。

<田島さん>どんなスポーツを見ていても同じで、外国にコーチで学びに行く人がいないし、海外のチームの練習見ても、正直今の日本人は真似できないんと思うんですよね。

そもそも『技術の練習』と、『勝つための戦術の練習』を理解する必要があって、今の日本のコーチも指導者も、技術を教えることしかできないっていうことを理解しなきゃいけない。

必要なことは、どうやったら勝てるかっていう戦術練習を、貪欲に毎週練習するかどうか。これがあると国内の練習でも意味があると思うんですよね。

それに加えて、勝ちに貪欲になるっていうトップリーグが必要というか、ある程度、毎回同じ相手と試合をするのに、全力で『技術で戦わせる』指導が何十年も起こっている

Floorball Lovers JAPAN Facebookより

海外の動画を見てその技術を真似して戦おうとしてるけど、本来はそうでなく、その戦い方をどうやって取り入れたら、本気で日本のリーグのライバルに勝てるかどうかっていうところ。

技術で戦って、技術で負けて、技術で悔しがってるのに、それで今練習の定番が、何十年も変わらず、シングルとかランパス…みたいなのは、もう変えていきたいですね

そういうところの会話はしていきたいし、T3で指導員を抱えるのも案としてはいいかもしれない。

<髙橋さん>うん、やっぱ各地を回ってすごく多い質問で、戦術教えてくださいって言われるんだけど、それって本当に難しいことで。

聞いている人が言ってることはフォーメーションのことで、2-1-2とか、1-2-2とか。そういうものを基礎から教えてほしいって言ってると思うんですけど、それって戦術じゃなくて。

戦術って、ここからここまで全部が戦術で、そうするためにこういう練習を積んできてやっと試合でできるんですよって説明を毎回各地でしてるんですよね。

例えば、戦術とかゲームプランの発展した練習をするためには、しっかりパスができます、シュートが打てます、2対1しっかり考えを持ってできます、どうして2対1や3対2の練習をするかをわかってます、それが全部積み重なってゲーム展開の練習に繋がっていくんです。

T3 Facebookより 講師派遣の様子

だから、そのクラブが理想とする作戦に近づけるための練習をしたくても、まずはパス・シュートとか、その部分が全然追いついてないから、戦術の練習まで行けないっていうのが正直なところです。

訪問したクラブからはそこに時間を掛けていいと言って頂いているので、基礎部分を正しい知識で伝えられて、クラブも満足してくれてるんだけれど、自分が思う、”ここまでいったらチームとして更に発展するだろうな”っていうところまで行けてないのが正直なところですね。

<田島さん>さっきも話してたように、海外の試合映像やハイライトをみても難しいから、今後はガイドブックの次に、練習をやっていく順番みたいなものを作るのはいいかなとも思うんですよね。

アンテがコーチで日本に来てくれたときに、自分も変わったというか、概念がそもそも違うなって思ったんですよね。

<髙橋さん>アンテは今、SSLのVästerås Rönnby(女子チーム)の監督をやっていて、ちょっと前まででは、スウェーデン代表のコーチをやってました。

日本U19のコーチを務められたアンテコーチ

<田島さん>そう、例えばフォーメーションの話でも、大体の人が、ある程度わかってるよって思うかもしれないし、その『フォーメーションをやれば戦術なんでしょ』って止まってしまう人もいる

だけど、アンテが言っていた大事なことは、フォーメーションを決めたとして、その中でも高さの種類があったりとか、それを更に分解して、攻めの時の考え方、守りの時の考え方、パワー・キルプレーの考え方とか細かく分けて考えていきますよ、とか。

あの時は、小学生に向けて話していく中でもあれだけ分割して考えていくし、そういうベースに加えて、良いコーチがこれやった方がもっとよくなるよなとか、例えば、2vs1の練習でも、シチュエーションの練習として意識して取り組めば、練習としてはすごい意味があるな、とか。

それらを行う環境として、『20×40のコートサイズを用意する』、『男女分けて練習する』などを明確に提示することが必要だと思います。

実際に行えるチームは少ないけど、本当に勝ちたいなら必要な環境を整えてみようよというのも伝えたい。

<髙橋さん>海外をベースに考えるならその通りで、フロアボールは少ない人数で、体力を温存しながらやる競技じゃなくて。

ただ、場所もそうだし人数を揃えるというところで、なかなか難しい現実なのが日本の現状ですよね。

だから、20×40のコートと20人集めるフロアボールが難しくても、少し小さいコートにして、少ない人数でも皆が楽しめる形を提供していくのも一つですね。

以前に私達が開催した3on3 Festivalも盛り上がったし、IFFでも3on3には力を入れて国際大会も出来ているので、色々な年齢層が楽しめる形を提供していくことは私達ができることだと思っています。

◆インタビュー後編//気づきのタイミングとコーチの存在意義

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■今回のインタビューご協力者様は…

T3 FLOORBALL PROJECT 代表

田島 達朗 様

T3 FLOORBALL PROJECT 副代表

髙橋 由衣 様

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