はじめに
これまで様々な普及活動に取り組まれてきた、『T3 FLOORBALL PROJECT(ティースリー フロアボール プロジェクト)』。
今回、新たにHPを立ち上げられたということで、その狙いや、活動の現在地、フロアボール普及への課題など、様々な観点でお話をお伺いしました。
■今回のインタビューご協力者様は…
T3 FLOORBALL PROJECT 代表
田島 達朗 様
T3 FLOORBALL PROJECT 副代表
髙橋 由衣 様
T3サイトが公開に
<達也/FloorballFans.>
この度は取材のご協力いただきありがとうございます!
<田島さん>こちらこそありがとうございます!
<髙橋さん>よろしくお願いしますー!
ー早速ですが、今回WEBサイトを公開されたとお伺いしました。サイト作成の目的や狙いはなんでしょうか?
<田島さん>これまでもSNSで発信は行ってましたが不十分で、WEBサイトは作りたいと常にT3でも話していたんです。大事なことは、過去の活動実績をちゃんとアーカイブに残すことで、今まであまりできていなかったんですよね。
今回、SNS上で『形にできるよ!!』って言う方とも上手く繋がれて。共感して協力してくれる仲間はいつも探していたのでありがい話だし、やりたいことの一つが叶えられることは大きいと思っています。
<髙橋さん>私もずっとほしいと思っていて、これまでは、T3に興味を持ってコンタクトを取りたいっていう方は基本的にFacebookメインになっていました。
WEBサイトが出来ることで、T3やフロアボールで検索をかけた時に、私達の活動をもっと知ってもらえたり、フロアボールの情報へのアクセスが簡単になったりするかなと思って、そこも期待しています!
ー企業との繋がりも多いと思いますが、WEBサイトの有無を聞かれませんでしたか?
<田島さん>ありましたね。WEBサイトが無いことで、不採用になったこともあります。
ー不採用という部分でお伺いできる話があれば…
<田島さん>直近の話で、スポンサーからの助成というか寄附を頂くための審査があったのですが、上手く行かなくて。WEBサイトできたらまた申請できますよって感じでしたね。
もし法人格があれば、ちゃんとした団体として見られやすかったと思うんですが、今のT3は任意団体で活動を行っているので。
上場している会社に対して、どこで信頼を得るか考えた時に、もちろんWEBサイトの有無だけではないだろうけど、SNSの発信のみ行う団体だと、そういう体力が無いと見られてちょっと難しいとなってしまう。
ーWEBサイトを持つ影響、ということですね。
<田島さん>認知度というか、ちゃんと活動しているよねっていうアピールが任意団体には必要なんじゃないかなと思いました。
これって全部のフロアボールクラブに当てはまるかもしれなくて、例えば日本連盟が試合結果を更新しているからといって、自分たちのチームで何もしていなかったら新たなメンバーの勧誘も出来ないよ、と。
自分たちも身に沁みているんですけど、やっぱりホームページの大事さを、この場でも伝えられたら良いかなと思います。
<髙橋さん>T3のFacebookだと700人の方が”いいね”してくれて、フロアボール界で言えば多いんですが、一般企業の方から見れば『少なっ!』って思う数字だと思うんです。
信頼を重ねるためには、SNS発信もそうですが、WEBサイトにも力を入れつつ活動をしていきたいですね。
今年のT3活動、力を入れたいことは??
ー髙橋さんが日本に戻られて、国内での普及活動も増える。特に力を入れたい活動はありますか?
<田島さん>直近としてはまず、スペシャルオリンピックスかな?それが一番大きいですね。
<髙橋さん>今年の11月にスペシャルオリンピックスの全国大会があるので、そこに向けての活動は力を入れて取り組むべきことですね。
ー髙橋さんは、この7月中全国各地を訪問されていました。
<髙橋さん>はい、日本にいる間は色々なところへ行って経験を活かしたいのですが、その中で感じたことは、指導者の方たちにも正しい知識を伝えたいということですね。
今の指導者の方たちは、自分自身で調べて、自分なりに噛み砕いて子どもたちに伝えることが多いと思うんですが、お話をお伺いしていると、これまで行った指導が正しいのかどうか、指導者本人も自信がないことが多いのです。
<田島さん>確かに。指導者はいるけど、コーチがいないってところかな?
<髙橋さん>そう、”練習を見ている大人の方”、なのかな。大人の方がいなければ体育館も取れないし、人も集めらないし、子どもたちの定期的な練習は成り立たないから、普及活動をしている方々は本当に素晴らしいと思っていて、T3としてはその方たちの不安に思っていることを解消できないかなと。
例えば、シュート一つとっても、パス一つとっても、正しい打ち方やフォーム・指導方法があって、それを今回説明すると、『やっぱり全然違ったんだ。子どもたちに変な癖がつかないうちに伝えたいな』とよく言われるんです。
全国の指導者の方々が自信を持って、正しい知識でこうやるんだよ!と子どもたちに教えられるように、T3としても講師派遣は行っていきたいですね。
熱感を取り戻したい
<田島さん>今年の活動とは少しずれますが、個人として思ったのは、コロナがあったからか、以前と比べフロアボール熱が少ないなと感じているんですよね。
どんな活動をしても当事者以外はワクワクしていないというか、例えば、由衣(※高橋さん)がフロアボールで全国周っていることに関しても、絡んだ人は当然興味があるのだけど、絡んでいない人たちは、『あ、そうなんだ』と思う人がいればいい方で、あまり興味を示していない人も多い。
コロナ前は、皆でフロアボールを盛り上げていこうという団結力がもう少しあったと思っていて、その熱感を取り戻すような、”きっかけづくり”がしたいと思っています。
ー皆を巻き込んでいきたいイメージ
<田島さん>特にT3は、言葉の表現として”フロアボール”を使ってるけど、ネオホッケー界とフロアボール界の架け橋になりたいとも思っていて、例えばT3の活動を通じて、ネオホッケーの方たちにもフロアボールをチャレンジしてもらいながら、それらのコミュニティを繋げて、日本フロアボール全体を盛り上げていく必要があると感じています。
規模感で言えば、山王スポーツだとInstagramで1000人ぐらいのフォロワーがいますが、それぐらいの労力が同時に動いてくれるような。T3のFacebookでも700人ぐらいなので、全員が同時に参加して、面白いと感じるような新しい試みや、コロナ明けで再び頑張ろうという動きを作っていきたいと思っています。
フロアボール環境の弱点とアプローチ
ーT3の活動内容自体が、そのまま日本のフロアボール環境の弱点に通じているように見えます。現状の課題についてと、それにどのようなアプローチを考えていますか。
<田島さん>フロアボール環境の弱点でいえば、各クラブや個人の悩みを吸い上げられていないのが問題の根本じゃないかなと。
さっきの話でもあった、『自分たちの指導が正しいか間違っているか』も、講師として行けばわかったけど、これまで吸い上げれてないっていうところ。
ここはT3としてもやるべきで、PDCAするにあたっても、愚痴とかではない要望・悩みをもっと教えてほしいなとは思っています。
これまでも、こういう環境で困っているということにアドバイスをしたり、指導者はここに悩んでますっていうことが聞けたことが、T3ガイドブックの発行に繋がったので。
明るい日本の未来のためにこうしたいっていう、個人や連盟が解決できない問題に対して生まれたのがT3だし、何かできるなら自分たちかなって思っています。
<髙橋さん>そう、私達の良さって、フットワークの軽さと行動力なんですよね。
私もこれから色々な小学校に入ってフロアボールの普及を行うことになるんですが、裾野を広げるっていう活動は、T3にとっても日本フロアボール界にとってもすごい大事なことだと思ってます。
弱点ということでいえば、やっぱり普及が進んでないことと、若い世代が増えてないことが課題だと思っていて、そこを広げるようとするからこそ、次はちゃんと教えられる人を養成しなきゃいけない。
その中でも私達の強みとしては、正しい知識を教えられる人と繋がっていることが大きいと思っています。
日本には長くフロアボールはあるけれど、フロアボール発展国に比べて成長がないまま20年経過したのが正直なところなので、裾野を広げた上でちゃんとした知識を教えていくことが必要だと思っています。
◆NEXT/戦術を学ぶ・教える、とは。
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