はじめに
今回当サイトでは、SG OPEN 2023に参加されたBLUE NINJA(U21部門)の選手へお声掛けし、オープンチャット上で匿名反省会を開催しましたので、その模様をお届けさせていただきます。
予備知識として
SG OPEN (シンガポールオープン)は、アジア最大のフロアボールトーナメントです。
2017 年に第1回 SG オープンが開催されたのち、わずか2年間で、150を超える参加チームと8,000 人を超える観客が集まったとされています。
例年、日本でも有志でメンバーが集まり出場しています。
今年は男子/U21部門で1チーム、女子/U21部門とエリート部門(いわゆる大人の部)の2チームが参加していました。
今回のBLUE NINJA(ブルーニンジャ)は、男子/U21部門での出場登録ですが、主に15-16歳で構成されている非常に若いチームです。
◆U21部門/予選Bブロックの順位表
順 | 対戦相手 | 勝分負 (勝点) | 得失 | |
---|---|---|---|---|
1 | Uster ※今年の大会優勝チーム | (15) | 5-0-046-7 (+39) | |
2 | Mary Jane | (7) | 2-1-115-10 (+5) | |
ーーーーーーーーーーーーー SemiFinal進出 ーーーーーーーーーーーーー | ||||
3 | Western Exports Gold | (6) | 2-0-210-17 (-7) | |
4 | BLUE NINJA | (4) | 1-1-218-17 (+1) | |
5 | Batang Florbolista | (0) | 0-0-42-35 (-33) |
大会結果は予選4位となり、決勝トーナメント進出は叶いませんでしたが、今大会で優勝したスイスのチームと対戦するなど、非常に良い経験が出来たことが伺えます。
そんなところから、若い世代の方は大会に参加するとどのような事を感じるだろう?ということに興味をもち、今回の実験企画に繋がっていくわけです。
20:00スタート/アイスブレイクから
みなさんこんばんは~!あらためて企画を簡単に説明しますと、『大会の経験はどんどん忘れてしまうので、今後に活かすため、思い出せる範囲で言語化しながら、気軽に匿名反省会をしてみよう!』です!
和やかな空気でやりたいので、まずは『挨拶の一言と+夜ご飯のメニュー』から始めてみましょうか!
XX XX(※本名フルネーム)です!よろしくお願いします!ご飯はブリです。
えーすいません、一応、匿名反省会なので、本名伏せて大丈夫です
よろしくお願いします!がんばって思い出します。から揚げです。
しまんちゅスターです、よろしくお願いします。定食食べてきましたー
実はこのFloorball Fans.のインタビューを女子日本代表で見て、いつかくるかなと楽しみにしてました。
シンガポールオープン中に起こったことを皆さんに少しでも伝わればいいと思ってます。グラタンを食べました。
今回は突然のご連絡にもかかわらず、4人の忍者にお集まりいただきました。
匿名反省会でいきなり本名を投下するムーブに慌てましたが、なにしろ参加者の平均年齢が16歳!
ワクワク・ドキドキですすめていきます。
20:10/大会を終えた率直な感想は?
では早速なんですが、SG OPENを終えて、素直にどのような感想を持っていますか?
いい経験といい刺激をもらいました!!
今回初めて試合で海外に行ったという方もいますか?日本で試合するときと比べて、違いはありましたか?
初めてでした!フィジカルや体の使い方も違うなーって思いました!
日本と違う楽しさや発見がありました!
自分は2回目ですが、率直に楽しかったですね。初めて近い年代と試合に出ましたし、前回よりボールをもてると思っていたので緊張せず楽しくやっていました。
体のケアは工夫しましたね。連戦で戦わないといけないのでお風呂の後とか柔軟していました。
ありがとうございます!皆さんは、どのような『戦い方(≒戦術)』で試合に挑まれましたか?チーム全体で話していたことなど…。
基本的にカウンターを行う意識を持ってました。ただ試合するごとに結構回して崩せるなと思い、真ん中を使ってみたりもしてました。
チーム全体としては全力で走るですね。攻守の切り替えは徹底してやろうとは言っていました。
技術的な戦術はわからないので、難しいですね…。どうしても個の力からのゴールが多かったかと思います。
なるほど!ちなみに今回は戦術指導のコーチはいらっしゃったのですか?
いませんでした。基本的に試合中は選手同士で話し合いながら、すすめていました。
…ポジティブに考えると、凄いいい経験ですね!
コーチがベンチに不在で、海外の知らぬ土地で、自分たち主体で考えて戦うって、なかなかすごい経験だなと思います。
ちなみにSG OPEN2023は、7月6日から9日の4日間で約180試合が行われました。
BLUE NINJAは、大会初日に3試合消化する超ハードなスケジュール。
【参考】
日付 | 対戦相手 | 結果 |
---|---|---|
7/6 9:00 | vs | 10-0 Win |
7/6 10:40 | vs | 3-10 Lose |
7/6 14:00 | vs | 2-4 Lose |
7/7 17:20 | vs | 3-3 Draw |
20:20/大会の反省点は?
大会全体で反省した時に、チームでもっとこういう話をしておくべきだったと感じる事はありますか?
焦って攻めてしまったとこですかね、、、。あと交代のタイミングとかもですかね?何回か危ない時があって。
円陣をやった試合とやってない試合があったので、毎試合そこで気合いを入れて戦えば良かったのも思いますね。
そもそも試合後での反省を個人だけでなくみんなで共有すればよかったかと思います。反省会は最後の試合後だけだったので。
シンガポール戦の時に、勝ちきれなかったとこですね。
なるほど!こうすれば勝てたのでは?という答えは見つかりました??
それが見つからないというのが大きな反省点かと
ふかい…
しかしリードしていたのでその時の試合の進め方を改善すればよかったんですかね。
2回も追いつかれたもんね
『シンプルにクリア』とか『時間を稼ぐパス回しとボールキープ』ができていれば勝てる試合であったと思っています。
1日目がハードで3試合こなす体力…。
個人的な反省は決定機をなん度も外してしまったことですね。言い訳ですが限界まで疲れていました。
そういう疲れの中でシュートを決める力がないと感じました。海外での試合は連戦が当たり前にくるので強化したいなと思いました。
体力はつらい。ただ、対戦相手の年齢も、だいぶ上だったのでは??
だいたい19-21だったと思います。
オーストラリアは15歳の人もいました。
ユニホーム交換しましたー
決勝の試合映像の片隅で、ユニフォーム交換してる場面は見てました笑
オーストラリアからきましたね笑
質問しながら、自分が15-16歳の頃は戦術について何か考えていただろうか?と思い返します。同じように質問されたらどう答えられるだろうかと。むずい。
20:40/優勝したスイスのチーム
決勝のお話に関連して、今回優勝したスイスのUsterとも対戦しましたが、このチームのお話を是非。
シンプルにパスの質・トラップがすげーと思いました。スピード、フィジカルも当たり前のように凄かったですが。
Usterは本当に強かったです。
一瞬タイミングずらされてパス通されて、カバーすると別のとこが空いてそこを使われての連続で完璧に崩されました。
そう、シュートまでのパスの回しですね。パス一つ一つにメッセージがあって綺麗になん度もゴールを決めていました。ワンタッチシュートがうまかったかなと思います。
一対一のドリブルは少し通用しました。
率直にうますぎる!特にゴール近くでの勝負強さ。でもカウンターなら少し通用する🤏
パスが早すぎてとりかごみたいな感じでした
それだ、とりかごだわ。
そんな感じでしたね
もう自分たちはディフェンスでゾーンで守るのは捨てて、プレスをかけたんですが、そこで少しハマり3点取ることができましたね。ミスを誘うことができたのは良かったかと思います。
スイスの33番は化け物です。
あーくるくる回る人ですかね?(※注:スピンムーブの意味)
エゴイスト系ですね笑
守備あんましないですね
ゴール裏ずっといます
いやらしい・・・。
私も気持ちは16歳になり語彙力を失っていますが、みんなでスイス#33を褒めています。
なおSG OPENの試合映像の一部は、INNEBANDY TVで有料配信されています。
化け物、くるくる回るなど、興味がおありの方は、配信をご購入ください。くるくる回ってます。
※写真を見てなんという選手名かわかる人いますか?
20:50/自分たちと海外のフロアボールの違いって?
難しい質問なんですが、Usterと対戦したり、エリートチームの試合を観戦されたかと思います。自分たちのフロアボールと海外のフロアボールの違いって、どういうものがあると思いますか??
ベンチにコーチ見たいな人がいることはまず一つですかね。
間違いない
選手は中でプレーしているので、どうしても見えない部分が必ずあるので外から見てるコーチがそこを助言して欲しいなと思います。コーチの戦術の元でプレーしてみたいです。
スピードとか迫力とかですかねー。あと応援📣
フィジカルはもちろん違いましたが、スイッチ入ったときのスピード感すごかったです。日本でも出来るはず。
パスの質もそうですが、ゴール付近には必ず人がいましたね。ディフェンスが難かったです。
ドリブルだと、日本はテクニックある人が上手い印象がありますが、海外はもっとシンプルに『長くて大きく速い』みたいな、シンプルにやっていてるところが違うかなと思いました
あとは動きすぎない
動きすぎない?
ボールももらうタイミングが上手いのと、戦術でポジショニングが決まっていたかと思います。
なるほど。ぶっちゃけUster、日本で言えば、どういうレベル感だと思いましたか?
日本リーグの上の人たちなら?
トップレベルのチームなら戦える気がしますが、ただスイッチ入ったときの攻撃は止められないと思います
微妙だと思っていて、個人として戦える人はいっぱいいると思いますが
チームとしての、あの完成度に対抗するのは難しい気がするので。
確かに…。強かった。
コーチの有無を一発目に繰り出すところ、必要な環境整備について色々なことが頭をよぎります。
いずれにせよ、意識向上や上達のきっかけの一つは、海外での試合を経験することだと思います。世界は広い。
21:00/細かい話
『戦い方(戦術)』について考えたり、勉強する機会はありますか?どのような方法で勉強していますか?
所属チームで試合前に話すくらいで、後は自分でときどき考えてます
プレー中に教えてくれます
怒られながらやる時もあります
(※筆者注:チャットルーム上では、皆で応援のスタンプを送る一幕)
所属チームで色々教えてもらうとかYouTubeのハイライトとかですかね!
所属チームとナショナルチームの時はありますね。
なるほどです。今、自分が思う、フロアボールの悩みや成長したいこと、または誰かに聞いてみたいことはありますか?
海外で活躍することですね!そのために海外のフロアボールを知りたいと思っていてます。英語などを頑張ります🤣
昔の日本代表の方のお話とか、進化しているのかを聞いてみたいですね、どういう選手がフロアボールでは上手いのかなど。
もっと周りを見て良いポジショニングをできるようにしたいのと、自分は特殊なプレースタイルなのでそれをトップレベルに通用するように進化させたいです
特殊とは??
ゾロ用のブレードを使ってて、ブレードの先にボールをはめてドリブルやシュートをしてます!
なるほどです!今ふと思ったのですが、ネオホッケーとフロアボール違い。それぞれどこに魅力があると思いますか??
ネオホッケーは誰でも参加しやすい、始めやすいですし、格上にも勝てる可能性があるところでしょうか。
ネオホッケーは、チームプレーって言うよりも個の力が集合したみたいな感じだと思います。
フロアボールはお互い全力でぶつかり合えるので、個人的には点決めた時や勝った時の喜びがより大きいと思っています。
21:15/まとめよう
時間もぎりぎりなので、最後の項目ですが、ずばり、大会に参加して得られた経験はどんなことだと思いますか?できればポジティブなワードでキレイに終わりましょう!
SGOPENで得られたと思うのは日本のチームワークとフロアボールの奥深さですねー!
日本では体験できないプレーとか攻め方があって体で実感できてとてもよかったです!!
日本は世界選手権も夢じゃない!!
海外の高いレベルを味わって良い刺激になりもっと上手くなりたいと思いました!
また、日本の同年代の選手と仲良くなれたことで身近なライバルができてさらにモチベーションが上がりました!
これからの希望が見えました、アジアの中では日本人の持ってる個人のスキル、技術は高い方だと感じました。
ただチームスポーツなのでチームとしての完成度を上げていく必要も同時に感じ、改善しなければいけないところあるなと思いました。これは大きな収穫であるし自分のモチベーションにしていきたいです。いい経験になったのは間違いないです。
何よりSG OPENが素晴らしい大会であることはBLUE NINJA全員が感んじたので、来年はもっと多くの人といけることを楽しみしています。
ありがとうございます!こちらからは以上です!本当にありがとうございました!ご協力者様、ご家族の方への感謝はぜひに、今後もフロアボールを楽しんでください!
おわりに
以上が匿名反省会の模様となります。
実験的な企画にご協力いただき本当にありがとうございました。
リアルな反省会は、また、別の形で精度高く行われていたと思うのですが、その模様を記事上に掲載できたら面白いのではと思い実施させていただきました。
これを様々な年代の方に、同じ質問で聞いてみると、経験の違いから深みが増したり、角度が違う意見を聞けたりするのでしょう。
今後もBLUE NINJAを応援しております!
後日①/『忍者反省会』の反省会
本企画を反省すべくフィードバックをいただきました。
・あまりない機会で楽しかったし、考えを整理できて良かったです!
・中々人に伝える経験をしていないのでいい経験でした!
・チャットなため自分の意見を言いやすい!
・事前のやりとりを全体でやればもっと早くインタビューにいけたかと!
・具体的なところまでをいえるように頑張ります!
後日②/『忍者反省会』の個人反省
・お話を聞けた事がなにより新鮮で、いやー、面白かった!
・今回のBLUE NINJAは、ほぼ未成年の方ということで、色々な影響を考え、匿名性の高い企画を考えていました。
なので最初は許可はいらないかなと?緩めに考えていましたが、諸々考えると、監督者様の許可も最初にいただくのが筋でしたm(_ _;)m。
この場でも、ご協力・ご理解をいただき誠にありがとうございました。
・日付で調整の付いた4人に参加いただきましたが、人数自体は適正かと。
・予定だと60分~90分とアナウンス。実際は90分を少しオーバー。もっと深掘りしたいポイントが沢山あったのですが、進行を優先。
・質問項目を精査する。これを聞くことが本人のためになる!という質問は?。もしくは、こちらからの質問は全く用意せず、参加者同士で話し合っている様子を見させていただいたり。
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