はじめに
SSLのハイライト動画を見て、気になったプレーをちょいとだけ取り上げてみるコーナーです。
まずはこの約9秒の動画。
複雑なプレーではありませんが、ディフェンス側の目線でご覧ください。
一瞬で終わるので、静止画で見てみる
画質も少し荒いので、画像でピックアップしますと、
赤チームであるFalunがボールを保持。
FW①が、ぬるぬると移動している局面で、DF①は前がかりにマークに付きます。CFも同じく中央をケアしていましたが…
FW②がするすると前進していきます。CFはその動きを確認し、クロスパスを出されぬよう、中央はケアしつつも、少しラインを下げます。
FW②はさらに前進を続ける一方で、FW①がぬるぬると中央エリアに移動。
CFの視界にも入ったようで、中央に向けて”一歩”ステップを踏んだのですが、その瞬間DF①とマークが被っている事にも気づいた様子。
CFは急いでFW②のマークに向かいますが、同時にFW③へ鋭い縦パスが通ります。
FW③からFW②へのダイレクトパスが繋がり、完全にフリーの状態でゴールを奪われてしまいます。
チームの戦術はわかりませんが、一見すると、失点の直接的な原因は、CFがマークを外したことであるようにみえます。
ただ、いざそのシチュエーションになったCFは、『えっ?あっ、自分がマークか!!』となってそうで、普通こういう場合、どのように守っているものなのか調べたくなりました。
似たシチュエーションを探してみる
ということで、似たシチュエーションで、守備側の異なる対応を見てみます。
先程と同様に、少し前掛かりとなったDF①の裏へ縦パスが通ります。
○FW③にフリーでボールを持たれます。DF①は、直ちにバックチェックを行います。
○DF②は中央部の位置をキープしたため、FW②のケアが出来ており、パスコースを防ぐことに成功しています。
○CFは下がりながらFW①のマークにつきます。
同じ縦パスからの展開ですが、先程とは異なり、DF側は初期配置に則ったエリアをケアする流れとなりました。
似たシチュエーションで、こうバランス取れるといいな
同じく攻撃側はFalun。
ただ今回は、縦パスを仕掛けさせません。
局面は同じように、FW②がぬるぬると前進している場面。
CFはクロスパスを警戒しつつ、中央エリアをカバーしています。DF①はFW①のマークをしています。
ここから異なるのは、DF①はバックステップでFW①のマークから離れていきます。
画面外ですが首の振り方から想像するに、自身の背面/ボールサイドへの縦パスを警戒している雰囲気です。
CFは、FW②への警戒は程々にして、中央エリアでFW①のケアに切り替えます。
と、こちらはこれまでの2例と異なり、縦パスを狙うDF裏のスペースを事前に防いだため、攻撃側はその他の手段で様子を伺うこととなりました。
チームの取り決めはわかりませんが、個人的には、この守り方が最もバランスよく、好きです。
2-1-2でセンターの役割
2-1-2でセンターの基本的な役割は中央のエリアでバランスを取ることです。
これらの基本タスクを複数遂行するために、中央のエリアでポジション取りをするのですが、できれば守備陣形が乱されないようにしたいものです。
難しいのは複数のタスクが発生した場合。具体的には、中盤に相手選手が複数名いた場合、何を最優先でケアすべきか、どの程度接近してマークするべきか判断が必要なことでしょう。
味方FWやDFを動きと連動しポジション取りやマーキングを行う必要がありますが、ここらへんがチーム戦術や、選手として判断の特徴、そしてセンターの面白さや難しさなのかなと思います。
おわりに
ただのマークミスだ!とも言えるこのプレーで、なぜこんなテキストを作成したのか、きっかけはよく思い出せません。
ただ、【CFがFW①を認識した時に踏んでしまった”1歩のステップ”】が、なんだかすごい印象的だったんです。
チーム内の取り決めはよくわかりませんが、『えっ?あっ、まじか!!』となったセンターの心情だけでも、酒が飲めるんです。
この9秒足らずの試合映像で色々な事を考えられる、このスポーツはやはり面白いと思います。
1時間の試合映像なんて、ゆっくりみると、多分3時間ぐらいかかるんですよね。
コメント