フロアボールの原理原則を調べてみる 第2回(ディフェンス全般)

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はじめに

フロアボールの原理原則を調べてみる第2弾です。

今回は、ディフェンスの原則について、前回同様、諸外国の資料などをもとに自分なりに明文化してみました。

ディフェンス全般での原則

ディフェンスの最大目的は失点を防ぐことにあります。

そのためには、相手にプレッシャーを与えることそれぞれのディフェンダーが担当する相手を持つこと、そしてボールを奪うことなどが必要です。

以降の項目では、ディフェンスで起こりうる様々なシチュエーションに適用する基本的な事柄について整理してみました。

(1)プレス

ボールキャリアーに対してその距離を詰めなければ、自由にプレーさせる時間が増えていきます。攻撃のチャンスを与えぬよう、必ずプレスを行う必要があります

WFC 2020 – Finland v Sweden/IFFより

プレスの目的は直接ボールを奪いに行くこと以外にも、その姿勢を見せることで相手をひるませ前進を防ぎ、後ろを向かせることや、何かしらの行動を強いてミスを発生させることなど、様々な面で効果があります。

(2)マーク

ボールキャリアーに対するプレス以外にも、その周りのサポートプレーヤーにも当然注意を払う必要があります。

ディフェンス時は、それぞれの選手が担当する相手を持ち、そのポジショニングによってマークの方法を変える必要があります

相手のサポートプレーヤーに対するマークの方法は2種類あります。

①クローズマーク(近接マーク)

クローズマークは、相手選手に対して非常に場所でマークを行います。具体的には、手を伸ばせば相手を触れる距離感でマークを行います

2022 U19 WFC Slovakia v Sweden/IFFより

この狙いは明確にパスを分断させることや、パスを要求できないほどに動作を制限することです。また、各ディフェンダーがどのマークを担当するかも明確になります。

特にスロット周辺では相手を自由にさせると一瞬でシュートを放たれてしまうため、予めクローズマークで動きを封じる必要があります。

ただし、フィジカル面やスティックワークなどで1vs1のスキルが重要で、マーク相手が俊敏で、素早くフリーになる能力がある場合はリスクが大きくなります。

②ディスタンスマーク(遠隔マーク)

ディスタンスマークは、相手選手に対して一定の距離感でマークに付くことで相手を監視し、危険なエリアでボールを受け取らぬよう防ぐことです。

2022 U19 WFC Czech Republic v Norway/IFFより

そのメリットは、ディフェンダーがより広範囲をカバー可能なことで柔軟に対応ができることです。

パスが渡った際にプレスを行えることは当然に、トラップが落ち着かない別マークの選手に対してはダブルでプレスを行ったり、突破されたエリアへのフォローも(比較して)素早く行うことができるなど、バランスを重視したマークとなります。

2022 WFC U19 Czech Republic v Norway/IFFより

一方で、相手も自由に動くことが可能であるため、味方のサポートを行いやすくなったり、パスを受け取りやすく、簡単に攻撃を展開されぬような適切な距離感を維持する必要はあります。

ゾーンマークに近いので味方選手との連携も必要で、頻繁にポジションチェンジを繰り返された場合などでその受け渡しの判断が遅れるとピンチを招きます。

(3)ブレイクゾーン(ボール奪取のエリア)とダブルチーム

ブレイクゾーン

ボール奪取は、相手のミスを待つか、②戦略的に奪いにいく二通りの方法があります。

戦略的に奪いに行く場合、たいてい特定のエリアやスポットに相手を誘導する構造となっています。

そのエリアの狙い所はディフェンスのフォーメーションに依存しますが、通常、ディフェンダーはゴール周辺の選手をマークしパスレーンを閉じることで、相手を危険なゾーンから壁際やコーナーへ追いやります。

壁際のエリアは相手の選択肢が狭まるので、ボール奪取を積極的に行うべきエリアとなります。

WFC 2020 – Finland v Sweden/IFFより

ダブルチーム

ダブルチームとは2人のプレーヤーでプレスをかけボール奪取を狙うことです。

そのメリットは数的優位を生み出すことでプレーを制限しボールを奪いやすくすることです。

デメリットは、相手選手に突破・パスを出されたとたんに他の場所で相手が数的優位になることや、ボール奪取に人数をかけるためカウンターなどの素早いプレーを行うにはスタートポジションが悪いことが挙げられます。

ダブルチームを行うシンプルな戦術例

場面としては、青①がDFにプレスをかけパスが出たタイミング。

DFのフォローに下がったFWをミドルレーンでハメます。

青①はそのままDF同士のパスレーン間に入りながらプレスをかけていき、青②の選手も協調してプレスをかけていきますが、相手が焦りアクションを起こしてしまう絶妙な間合いのプレスを行います。

一人ひとりの動きはシンプルで、青③センターは中央/クロスをしっかり閉じることで、選択肢を減らしていきます。

出されたパスに対して、ダブルチームを仕掛けていきます。青⑤DFはしっかりプレスを仕掛け、青②の選手も、リターンパスをさせぬようパスレーンに入りながらプレスを仕掛けボールを奪いにいきます。

そう簡単にはいかない

国内の試合で実際に起こるパターンは、青⑤の選手の守備意識が自陣に寄りすぎてゴール前を離れられないケースです。しっかりと寄せなければ、相手FWに簡単に前を向かれてしまいます。戦略的なボール奪取には多くの選手の連動が必要です。

また、青②の選手もパスコースを潰しながら素早くFWへプレスを行う必要がありますが、これが遅いと容易にボールを下げらてしまいます。相手の攻撃は成功していませんが、こちらの狙ったボール奪取も失敗に終わります。

さらに海外の試合を見ていると、1枚目の画像の段階でCFやFWが素早く駆け上がり、一気にコーナーサイドまで侵入するケースもよく見られます。

なかなか一筋縄では行きませんが、相手のミスを待つのではなく、能動的な戦術でボール奪取を行う事はできます。

(4)シュートブロック

シュートブロックは、相手によって放たれたシュートを、スティックと体全体で防ぐことです。

TPS-Oilers F-liga /Anssi Koskinen

良いシュートブロックに共通するのは、地面に対して膝を落とし、腰を深く下げて身体を開く姿勢であることです。スティックと体全体で止めようとすることで、低弾道のシュートでも体を越えてしまうリスクを減らしていきます。身体を半身に反らしてしまうと、シュートブロックの効果が半減します。

また、放たれるシュートとゴールを結ぶ直線ライン上に身体を置くことが大切です。シュートはスティックによって放たれますので、特にフォアサイドからのシュートに対しては、さらに1歩足を踏み出す必要があります。

相手の動きを予測しスムーズにシュートブロックの体勢に入ること、そして勇気を持ってシュートに立ち向かうことで、ゴールを守ることができます。

TPS-Indians F-liga /Anssi Koskinen

終わりに

守備に関する基本的な事柄を記載してみました。

ディフェンスの原則

相手にプレッシャーを与えること

それぞれのディフェンダーが担当する相手を持つこと

ボールを奪うこと

これらを土台にして、チームによって様々な共通認識/戦術が乗っかっていきます。

本項目もまだまだ記載すべき事項はありますし深掘りしていきたいので、今後も良い形で肉付けしていきたいと思います。

全体像としては、

・オフェンス全体 ←前回記事

・4大局面/オフェンス

・4大局面/オフェンストランジション

・ディフェンス全体 ←今回記事

・4大局面/ディフェンス

・4大局面/ディフェンストランジション

・パワープレイ

・ボックスプレイ(キルプレー)

・PS

・セットプレイ ※ノープラン

と、単発で記事作成を進めていき、

最後は再編集・追記した形でFF的入門マニュアルが完成したら面白いと思っています。

コメント

コメント一覧 (1件)

  • いつも楽しく拝見しております‼️
    次回も期待しています‼️
    頑張ってください🌟

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