趣味統計:実際のプレー時間は?

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はじめに

日本選手権最終日の4試合が行われました。

試合時間について実験的に調べてみた回です。

試合時間45分で実際のプレー時間は?

フロアボールの国際ルールは20分×3ピリオドの60分間

ボールがコート外に出たり、ファールなどでプレーが止まると時計も毎回止まりますので、実際にプレーする時間が60分間です。(=正味60分)

2.試合時間

201 正規の試合時間

1) 正規の試合時間は 20 分×3 ピリオドとし、10 分の休憩を 2 回はさみ、その間に両チームがエンドチェンジ(自陣サイドの交代)の交代を行う。

2) 試合時間は正味の(effective)時間で計測する。
正味の試合時間とは、審判の笛によってプレイが中断された場合に時間のカウントを止め、ボールがプレイ状態になった時点で再開することで測られた時間を意味する。

統括団体の権限において、正味時間以外の試合時間の適用が可能である。この場合、試合時間のカウントが停止されるのは、ゴール、ペナルティ、ペナルティショット、タイムアウト、または不測の事態に対する審判のトリプルシグナルに関連した場合のみである。ただし正規の試合時間の、最後の 3 分間は必ず正味時間とする。

日本フロアボール連盟/審判/競技ルールPDFより

他方で国際ルール上、競技統括団体によって正味時間以外の試合時間を適用することが可能です。

今年度の日本選手権は15分×3ピリオドの45分間。ピリオド間は5分の休憩を2回はさみ、最後の3分間のみ正味時間とする試合フォーマットです。

ボールが外に出たりファールなどで試合が止まっても、時計はどんどん進んでいくのですが、実際にはどれぐらいのロスが発生しているのでしょうか?

最終日の4試合だけ調べてみた

各試合に対して、どれぐらいのロスタイムがあったのか集計をしてみました。

試合ロスタイム実プレイ時間
東京vs神奈川(男子決勝)6分47秒38分13秒
横浜vs八王子(男子3位戦)10分50秒34分10秒
東京vsWARABI(女子決勝)4分40秒40分20秒
神奈川vs駿河台(女子3位戦)3分45秒41分15秒

4試合だけの集計ですが、結果、男子3位決定戦では34分の実プレイ時間で約11分のロス。4試合での最大差は約7分となりました。

この表でいうロスタイムとは、文字通りプレーは止まっているが時計が動いて失われた時間を表します。

数字だけでみると試合時間の4分の1がロスタイムということで、率直な感想は、おぉ、なかなか多いな、と。

もちろん対戦組み合わせによって大きく異なるでしょうし、年間を通じて統計を取ってみるとまた違った印象となるのでしょうが、この数字はどのように評価するのが適切でしょうか。

雑談:ちなみに・・・

集計方法はとてもアナログな手法で、映像を確認しながら手元のタイマーで、ワンプレーずつカウントを行っていきます。

ボールが外に出たタイミングや、ファールが発生して笛がなったらロスタイムタイマースタート。プレーが再開される選手のファーストタッチでタイマーストップです。

何回か選手のフェイントにタイミングをずらされましたよ。やるなぁ。

それでもこの数値の信憑性は、相変わらず素人調査なのであれですが、誤差があるなら『私のタイマーボタン押下速度±0.3秒×アクション数(平均約80回)→-24秒~+24秒/1試合』の範囲内ぐらいだと思ってます。今回割と自信あります。

差がある理由は?

最大7分差が生まれる理由は単純で、ファール発生数と、ボールがコートの外に出る回数が多ければロスタイムが増えていきます。

試合ロスタイムプレーが途切れた回数
(ヒットイン+フリーヒット)
東京vs神奈川
(男子決勝)
6分47秒39回
(23回+16回)
横浜vs八王子
(男子3位戦)
10分50秒61回
(27回+34回)
東京vsWARABI
(女子決勝)
4分40秒24回
(12回+12回)
神奈川vs駿河台
(女子3位戦)
3分45秒19回
(11回+8回)
※試合開始から42分経過時までの集計

『ヒットイン』はボールがコートの外に出てプレーが途切れた回数で、『フリーヒット』はファール等によりプレーが途切れた回数です。

男女差が生まれる理由は、フィジカルコンタクトの回数と、パワーの差でシュートミスやボールが弾かれた場合にボードを超えやすいからでしょう。

チームロスタイム計回数平均時間/1回
男/東京FBC3分27秒2010秒35
男/神奈川FBC3分20秒1910秒52
男/八王子FBC4分20秒1814秒44
男/横浜FBC6分30秒439秒06
女/東京FBC2分26秒1212秒01
女/WARABI2分13秒1211秒00
女/神奈川FBC1分26秒712秒28
女/駿河台大学2分18秒1211秒50
※試合開始から42分経過時までの集計

チームごとにプレー再開までの平均時間を算出してみました。少し特色もありますが、平均すると1回の中断にあたり約11秒前後のロスタイムが発生しているようです。

ラインチェンジとの関係

プレーが途切れたタイミングは、ラインチェンジのタイミングでもあり、その場合相応の時間がかかります。

下表はラインチェンジをした場合の平均再開時間と、ライン維持した場合の平均再開時間です。

チーム平均時間チェンジ時ライン維持
男/東京FBC10秒3511秒009秒96
男/神奈川FBC10秒5212秒597秒52
男/八王子FBC14秒4417秒389秒32
男/横浜FBC9秒0610秒428秒49
女/東京FBC12秒0115秒1810秒43
女/WARABI11秒0016秒499秒16
女/神奈川FBC12秒2822秒5010秒32
女/駿河台大学11秒5013秒1611秒01
※試合開始から42分経過時までの集計

再び、どう扱うか困る表を作成しました。

必ずしも早ければよいというものではありませんが、時計は常に進んでいるので、劣勢時やパワープレイ時には直ちに試合再開の態勢をつくることは必要でしょう。

『アタッキングゾーン』×『ライン維持』の速攻

『アタッキングゾーン』で『ライン維持』のまま試合再開時の平均時間を算出しました。

スクロールできます
チーム平均時間/1回チェンジ時ライン維持
(全エリア)
ライン維持
(アタッキングゾーン)
男/東京FBC10秒3511秒009秒969秒54
男/神奈川FBC10秒5212秒597秒529秒23
男/八王子FBC14秒4417秒389秒327秒16
男/横浜FBC9秒0610秒428秒499秒14
女/東京FBC12秒0115秒1810秒4311秒05
女/WARABI11秒0016秒499秒168秒42
女/神奈川FBC12秒2822秒5010秒3210秒35
女/駿河台大学11秒5013秒1611秒0112秒13
※試合開始から42分経過時までの集計

アタッキングゾーンでのセットプレイはチャンスの場面ですが、『全エリア』×『ライン維持』に対して試合再開はわずかに遅くなります。ノープレッシャーのディフェンスゾーンの方が、深く考えずに再開できるからでしょう。

セットプレイでの得点奪取について、ファーストタッチまでの平均約10秒間では充分な意思疎通はとれません。『自分がどの役割か判断し、適切な場所へ位置する』ためには、事前の練習と得点パターンの確立が必要です。

また、この表には現れない個別データとして、WARABIが2秒10で、男/東京FBCが2秒40の再開時間で攻撃を仕掛ける場面も見られました。

『アタッキングゾーンでフリーヒットらを獲得時、相手陣形が整う前にシュートを放ったときの得点確率』について調べたかったのですが、そもそもセットプレイからの得点数が少なく、望んでいた数値が全くとれなかったので断念しました。妥協の統計です。

おわりに

収集がつかなくなってきたので、ここまでです。また変な集計をしてしまいました。

実プレー時間について、今回の4試合を映像ベースで見ている限りは何の違和感もありませんでしたが、この実プレー時間があまりにも減りすぎると『試合が中断してばかりで物足りない』と感じるケースも出てくるのでしょう。

試合時間フォーマットについて言えば、過去の日本選手権を思い返せば、20分×2ピリとか(20分×3ピリ時代もありましたか?)、全ピリオド正味時間で計測してみたり、と細々フォーマットが変わっていた記憶があります。

せっかくなので一つ問いかけをするならば、国際ルール(20分×3ピリ、正味時間60分)ではなく現行の45分フォーマットを採用しているその背景には、どのような狙いや理由があるのでしょうか?改善は必要でしょうか?維持すべきでしょうか?

いろいろな項目についての頭の体操や、連盟主催でオープンな意見聴衆や議論風景が見られたら面白そうです。

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